2010年3月31日水曜日

房総半島

房総半島を前に内房から外房へと一人で旅をした。その頃に乗っていた車はワンボックスタイプであったが、広い車内はウインドサーフィンの道具でいっぱい。そして砂だらけ。寝袋も常備してあったのでどこでも寝られる。何の準備もなく出かけた。スケッチブックだけを忘れずに。

実は失恋旅行だったのだ。意気消沈した思いを紛らわそうと思いついた。今考えれば「岬めぐり」みたいなシチュエーションだったな。鴨川で寿司を食い、風が吹いたら御宿あたりでセールを張ろうと健気にも悲しみと戦った。高速を使わずに下をトロトロと走った。その方が気が紛れる。あとでわかったことだが精神的な問題の解決に効果があるのは時間経過だけであったと。

スケッチは勝浦港にてである。途中館山にも州崎灯台にも立ち寄った。訪ねた地でスケッチを描き続けた。鴨川に着いたときは真っ直ぐに「笹本」という寿司屋に立ち寄った。笹本に寄るのはその時点よりも随分と前に日蓮上人の顕彰のためのお堂を設計した時以来だ。その時以来ここのファンになっていた。しかし笹本の寿司をもってしても私の心を芯からは喜ばせてはくれなかった。

この病につける薬はないとは良く言ったものだが、困った事に果たしてどの娘との別れだったかがはっきりしていない。こっちの方につける薬もないのだろうな・・・今のところ。

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