2020年7月15日水曜日

カッコウの托卵

この季節になるとカッコウの鳴き声が聞こえてくる
その度にあのずる賢い托卵のことが頭に浮かぶ

托卵場所で孵化したカッコウの雛が生まれて最初の行動は、まだ目も開いていない状態で全身を使ってホスト鳥の卵や雛を巣から下方へつき落としてしまうことだ(youtubeで見ることができる)残酷な光景だ。そのように遺伝子にプログラムされている。

ホストである里親は自分の体の大きさに匹敵するカッコウの雛が大きく口を開いているところへせっせと餌を運ぶ。自分の子たちは巣の下で死んでいるのにどうしてそんなにアホなのか。

その答えは麻薬中毒患者と同じだという。麻薬患者は目の前に薬があると使わずにいられない。これと同じことがホスト側の里親鳥の遺伝子に組み込まれている。自分に匹敵する図体の雛であっても目の前で真っ赤な口を開けられると本能的に餌を上げたくなるようにプログラムされている。そこをカッコウに狙われたわけだ。(どうやって知っていた?)

ずる賢いことをするような人間になってはいかんと聞かされて育ってきたし、実際世の中そのようなことが長続きできる訳がないと考えている。しかし生物の世界では自然に適応した上で効率的に種を進化させることができれば採用される。

前投稿のサルのグルーミングで触れたように狡猾な行動は自然界が許してくれない。カッコウの場合は今のところ成功しているように見えるが、これは狡猾なサルが蔓延している状態と同じで、次の長い時間の中でカッコウの絶滅が危惧されるだろう。

イソップ物語にあるようにウサギは生きるためにキツネより早く走らねばならない。しかしキツネの方は今日の晩御飯のためだけだからウサギの足には追いつけない。


0 件のコメント:

コメントを投稿