2020年7月2日木曜日

遺伝子 利己と利他

先の投稿で遺伝子の利己と利他は表裏一体のようなもので時間軸の中で収束して行くと書いた。

遺伝子の取捨選択はどのように行われるだろうか。その取捨選択を行う法則がアルゴリズムというもので自然への適応性が軸になるのだろう。

遺伝子には意識がなく、自然環境の中で失敗と成功を繰り返しながら意識がないままに自己学習して行く それが生物アルゴリズムの実態のようだ AIの自己学習も基本は同じだ。次にざっくりとした話になりますがサルを例に遺伝子の取捨選択の一例を紹介してみよう。

危険な伝染病を持つダニがサルの群れの中で蔓延しているとします。サルは仲間同士でグルーミングを行うことでそのダニを取り除いてもらう。サルの群れの中には律儀なサルと狡猾なサルとがいると仮定します。

律儀なサルは自分がしてもらったグルーミングを相手にも施してやる。一方狡猾なサルは自分はしてもらうが相手にはしてあげない。効率の観点で言えば狡猾なサルの方が得点が高い。何故なら楽をして健康に生きられるからだ。

このサルの群れの遺伝子プールの中では生き物として効率の良い狡猾なサルの遺伝子が多くなる。そしてやがて狡猾な遺伝子を持ったサルだけの群れになっていく。しかし狡猾なサルは相手にグルーミングを施さないことから危険なダニから寄生されたサルが多くなり、やがてその群れはダニによって絶滅の危機に脅かされる。

生き残ったサルの遺伝子は狡猾な行為が自分たち種を絶滅に追いやる危険性を直感し、遺伝子プールの中で律儀なサルの遺伝子が再び優位性を持つようになる。
気の遠くなるような長い時間の中で自然環境に従い、このようなことが繰り返されている。

(一部参考;The Selfish Gene  /  Dr Richard Dawkins)

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