2020年10月17日土曜日

パトリシア

The wolf of wall streetの著者は叔母に銀行口座のことを頼んだ。これから彼女が消費する全ての買い物はこの口座を利用すること 家でも車でもなんでも欲しいものをこの口座を利用し買い物をすることで口座が叔母の名前で活用されているものにすること そして毎月多額の金額を上限なしに消費することが要件だった。舞台はロンドン・ハイドパーク公園を歩いている時にその頼みごとを聞いた後のパトリシア叔母の反応である。(著者は最終的に実刑を食らっているが、この資金洗浄目的の口座が刑罰対象に含まれているかどうかはこれから先に本を読み進めていかないとわからない)

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Just then Patricia said, “Come sit down with me, love,” and she led me toward a small wooden bench, just off the walking path. When we reached the bench we unhooked arms and Patricia sat down beside me. “I love you like a son, Jordan, and I am only doing this because it helps you—not because of the money. One thing you’ll find as you grow older is that, sometimes, money can be more trouble than it’s worth.” She shrugged. “Don’t get me wrong, love, I’m not some silly old fool who’s lost her marbles and lives in a dream world where money doesn’t matter. I’m well aware that money matters. I grew up digging myself out of the rubble of World War Two, and I know what it’s like to wonder where your next meal is coming from. Back in those days we weren’t sure of anything. Half of London had been blown to smithereens by the Nazis, and our future was uncertain. But we had hope, and a sense of commitment to rebuilding our country. That was when I met Teddy. He was in the Royal Air Force then, a test pilot, actually. He was really quite dashing. He was one of the first people to fly the Harrier jet. Its nickname was the Flying Bedstand.” She smiled sadly.

ここで私と一緒に腰掛けましょうlove(私の息子という意味でそう呼ぶ)その時パトリシアはそう言って小道から少し離れた木製の小さなベンチに私を導いた。ベンチに辿り着いた時、互いに組んでいる腕を解いて私とパトリシアは隣り合って腰をおろした。あなたを自分の息子のように愛しているわジョーダン とパトリシアは私に言った。あなたを助けるためにやるわ でもそれはお金のためじゃないのよ。あなたが歳を重ねた時にわかってもらえることがひとつあると思うの、それはお金は時々その価値を超えてそれ自体のためにトラブルを引き起こすことだってあるということよ と言って彼女は肩をすくめた。誤解しないように聞いて欲しいんだけど love、私は夢のような世界の中で正気を失って人生を台無しにするようなバカな年寄りじゃないわ そこではお金は問題になんかならないの、もちろんお金の価値だって十分承知しているつもりよ。私は第二次世界大戦の瓦礫の中から抜け出してやっとの思いで生き延びてきたわ 次の食事は一体どこで?という経験もしている。その当時は確かなものなどひとつもなかった ロンドンの半分はナチスの爆撃による瓦礫の山となったわ 私たちの未来なんかどうなるかわからなかったけど希望と国の再興への精神は失わなかった。(夫だった)テディと出会ったのもそんな時よ。彼は空軍のテストパイロットで颯爽としていたわ。彼は最初のHarrier jetに乗った一人でニックネームはFlying Bedstandと呼ばれていたわ と寂しそうに笑った。

Patricia soldiered on: “Sometimes I wonder if you let money get the best of you, love. I know you use money to control people, and there’s nothing wrong with that. That’s the way of the world, and it doesn’t make you a bad soul to try to work things in your favor. But I’m concerned that you allow money to control you—which is not all right. Money is the tool, my child, not the mason; it can help you make acquaintances but not true friends; and it might buy you a life of leisure but not a life of peace. Of course, you know I’m not judging you. That’s the last thing I’d do. None of us is perfect, and each of us is driven by our own demons. God knows I have my share.

パトリシアは続けた。時々思うことがあるわ、あなたは自分のお金をあなたに本当に必要なものを得るために使っているのかしらと。人はお金の力で人々をコントロールすることだってできるわ、そのこと自体は悪いことではないわ。それは世界の常識でもあるしね。それに好きな道を選んでそのことに努力することはあなたにとって悪いことじゃないわ。でも私はそのお金の力が今度はあなた自身をコントロールしかねないことを心配しているの。もしそうだったとしたらそれは良くないことよ。お金は道具、石ころじゃない その道具は仲間を作るためには役立つかもしれないけど、その仲間は本当の友人ではないわ。それにお金は人生を楽しむためのレジャーは買えるかもしれないけど平和な静寂は買えないわ。もちろんあなたの品定めをしている訳じゃないわ。今度のことが私がやれる最後のことかもしれない。誰しも完璧な人間ではないわ 人はそれぞれその人が持つ悪魔の部分から操られているところがある。神は私の分相応を知っているわ。

“Anyway, getting back to this whole caper you’ve cooked up—I want you to know that I’m all for it! I find the whole thing rather exciting, in fact. I feel like a character in an Ian Fleming novel. It’s really quite racy, this whole overseas-banking business. And when you get to my age, a little bit of raciness is what keeps you young, isn’t it?”

とにかく、あなたがこれまで仕立ててきた(ビジネスという名の)料理の薬味のところに戻りましょう。あなたのために引き受けるつもりよ。全体像も見えてきたし興味も湧いてきたわ。Ian Flemingの小説の中のキャラクターになったような気分だわ。外国の銀行でのビジネスも痛快だわ。それにあなたも私くらいの歳になったら少しくらいの痛快さを味わう気分でいる方が若さを保つ秘訣だと思うわよね?

Ian Fleming = 007ジェームス・ボンド シリーズの作者

Flying Bedstand(初期のHarrier jet)= ヘリコプターのように空中で静止できる飛行機で足が4本あるのでナイトテーブルのような形に見えたのだろう。シュワちゃんの映画で高層ビル群の目前に戦闘機がハチドリのように静止した状態でその機上で格闘するシーンがある あれがHarrier jetだ。

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