2020年10月13日火曜日

轍 ユダヤ人とドイツ人

The wolf of wall streetについて前投稿で少し触れた。内容が段々と本テーマに入ってきたようで少し興味を持って読めるようになったきた。相変わらず独特なN.Yブルックリンのネイティブ表現でわかりにくいところが多々ある。NY育ちユダヤ人である著者が、マネーロンダリングのためにスイス・ジュネーブにある銀行で口座を開くための交渉に当地を訪れた。そこでの著者の記述を紹介する。ユダヤ人のドイツ人に対する憎しみが伝わる。

Anyway, you had to love the Swiss—despite the fact that half the country was full of Frogs and the other half was full of Krauts. It was the end result of centuries of warfare and political backstabbing; the country had literally been divided in two, with the city of Geneva being  Central, where they spoke French, and the city of Zurich being Kraut Central, where they spoke German. 

何はともあれ スイスという国の半分はフランスであり、後の半分はドイツであるという事実にも拘らず、スイスという一つの国を好きなのかもしれない。スイスは1世紀にも及ぶ長い戦争や政治的な謀略などで結果的にそのような国の形になってしまったのだ。スイスは文字通り2つ(の文化圏)に分けられている 一つはジュネーブを中心とするフランス人によるエリア、もう片方はチューリッヒを中心とするドイツ人によるエリアだ。そこでは言葉もそれぞれフランス語とドイツ語が用いられている。

Frogs=カエル=それを食べるフランス人

Krauts=ザワークラウト=キャベツの漬物を食べるドイツ人

Insofar as my own humble Jewish opinion went, the Geneva-based Frogs were the ones to do business with—as opposed to the Zurich-based Krauts, who passed their time speaking disgusting glottal German while binge-drinking piss-warm beer and eating Wiener schnitzel until their stomachs bulged out like female kangaroos after a birthing cycle. And, besides, it didn’t take any great leap of logic to realize that there had to be a few Nazi bastards still hiding out among the populace, living off the gold fillings they’d forcibly extracted from my ancestors before they gassed them to death!

これまでのところ、スイスという国について謙虚なユダヤ人としての個人的な意見を述べさせてもらえれば、フランス人を主体とするジュネーブはビジネスの街と言えよう、それとは反対にドイツ人を主体とするチューリッヒでは耳障りな破裂音が響くドイツ語で喋り捲り、彼らの腹が繁殖期を終えた雌カンガルーのように膨らむまで生ぬるいビールをがぶ飲みし、ウィナーシュニッツェル(牛カツレツ)を食って時間を過ごしているところだ。

それにドイツエリアの民衆の中では少数のあのくそ忌々しいナチの残党がまだ隠れ潜んでいるんじゃないかという疑念を払拭してくれるような議論が聞こえてこない。それに奴らは昔、我々ユダヤ人の祖先が生きていくために施した彼らの歯に詰めたゴールドなどを強制的に奪い取った後でガス室に送り込んで殺してしまった民族でもあるのだ。

piss-warm beer = 小便のように生ぬるいビール

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そして 皮肉っぽいスラング表現でこのようなものもある。舞台はジュネーブにある銀行の会議室でのこと。銀行での交渉を仲介したGary Kaminskyという男のことについて書いている。

And then there was Kaminsky. He was sitting amid the Frogs with that awful toupee lying on his skull like a dead animal. On his fat round face was a shit-eating grin that made me want to smack him. 

そこ(会議室)にはKaminskyがいた。彼はフランス人に囲まれて座っている 彼がつけているカツラは動物の死骸が頭のてっぺんに横たわっているように見えておぞましい。彼の太った丸顔がドヤ顔でニヤニヤしているのを見ていると、つい彼の頬っぺたにキスをしてやりたくなった

shit-eating grin=直訳するとクソを食ってニヤニヤしている=ドヤ顔

(補足)ドイツ帝国時代にナチスによるユダヤ人への取り締まりの時に逃れられる者は財産を持ち出し外国へ脱出できたが逃れられない者はせめて財産だけでもとスイスの銀行へ預けたという。そういう人たちが全て殺された後、残った孤児たちが親からの伝言でスイス銀行へ預けた金をおろしに行ったがアカウント証明ができない遺族が多く、その金が未だに大量に残っているという。

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